今日は、「きっかけのきっかけ」の続きについて。
「創刊号にいきなり載せるのもどんなもの?」
と思う気持ちもあったので、
「これがしたくて始めたんです!!」
っていう試みに挑戦したのは、2回目つまりvol.2でのことでした。
「間取りウォッチング」と名付け。(←微妙な名前ですが…)
こんな感じの間取りを載せてみました。
上の画像に入っている文章から察しがついたかもしれませんが、
これは、映画「ユー・ガット・メール」。
その主人公キャスリン(メグ・ライアン)が住んでいる家を間取りにしたら、
こんな感じじゃない?
と、いうところから、気になるものをあれこれ綴ったもの。
それが、この「間取りウォッチング」です。
ニューヨークのアッパーウエストにあるタウンハウスのワンフロア。
それが、キャスリンの家なのですが、
映画を見ながら、この家どうなってるんだ?と疑問を抱いたのが、
テープ起こしならぬ間取り起こし?を始めたきっかけでした。
ワンルームではありますが、
いくら広いとはいえ、
日本じゃなかなかワンルームの真ん中に水回り(バスルーム)は持ってこない。
なるほどねぇ、確かにこういう手もあるよねぇ。
こうすると、キッチン・ダイニング・リビング(LDK)などパブリックの要素が強い空間と、
寝室などのプライベートな空間を壁で間仕切ることなく、
ゆるやかに分けることができます。
と思いめぐらせたところで、
子どもの頃、アメリカで初めて泊まったホテルの客室を思い出しました。
その部屋もやはり真ん中にバスルームがあるレイアウトになっていました。
子どもながら、当時、寝室とリビングをきっちり分けるんだなぁと思ったのを思い出します。
日本の場合、和室は食事をするところにも寝るところにもなりますからね。
生活習慣や文化の違いを感じた、あのホテルの客室を思い出し、
同時に、なんだか親しみやすい感じの主人公キャスリンの部屋を訪ねるかのごとく、
映画を繰り返し見たのでした。
そして、この間取りができあがりました。
映画のファッションとか映画の料理って、
本当にたくさん雑誌で特集されたり、本になったりしています。
それでも、映画に出てくる家とか部屋って、
ファッションや料理に比べるとあまり取り上げられないなぁと感じていましたし、
部屋とか家って、
住んでいる人の人生や生き方、価値観などをはっきりと映し出しているように思います。
それだけに、映画を映画として楽しんだうえで、
その次に、映画の主人公をはじめとする登場人物の住んでいる家や部屋、
はたまた仕事場、お店を観察していくと、たくさんの発見がありました。
その主人公たちが紆余曲折を経て進んでいく姿からはもちろんですが、
部屋に注目するようになってから、
へこんだり、くじけたりしそうな時も、あるいはくったくたに疲れた時なんかも、
より一層元気になることができました。
フィクションなのですが、
彼らの生活ぶりが浮かぶ上がってくるんですよね。
映画製作者の方の作りこみっぷりは感動的ですらあります。
(ふだんはそこまで見えない細部にも、いろいろ隠れているのです・・・・)
たとえば、今日の「ユー・ガット・メール」でも、
ストーリーが進むにつれ、キャスリンの人生も生活も大きく変化し、
それに伴い、彼女の家も……。
おおっと、この先はぜひ、映画を見てお楽しみください♪
…とまぁ、こんな背景がきっかけのきっかけにはあったのでした。