Thursday, March 13, 2014

Fruits de la Passion

こんにちは。

一日雨の今日ですが、なんだかとってもあたたかい。

そして、木曜日。明日は金曜。

わくわくしてきませんか。




先日、ブログに書いた兵庫県立美術館で開催中の

『ポンピドゥー・センター・コレクション フルーツ・オブ・パッション』を、

改めて振り返ってみようと思います。

というのもですね、直後の興奮冷めやらぬ感想と同じくらい、

後からかみしめる余韻というか感激もあるんじゃないかと思うのです。

「ファストフード」的側面と「スロウフード」的側面を両方書きたい。

どっちも私の本音なのですが、

前回のブログじゃあ伝えきれてないな!と日が経つにつれ思うようになりまして。



さて、ポンピドゥー・センターとは、パリ4区にある総合文化施設。

パリと言えばポンピドゥー!

って言えなくもないんじゃないか、とおもうくらい有名なのですが、

最近できた話題のスポットというわけではないので、ご存じなくても仕方ないかもしれません。

たぶんエッフェル塔なんかよりは知られてない(かも)。

簡単に紹介しますと、1977年に開館したポンピドゥーの建築は、

レンゾ・ピアノとリチャード・ロジャースが設計を手掛け、

配管やエレベーターなどの機能をむき出しにした、当時とても斬新なものでした。


(下の写真のこの建物ですね!)






もっとも、私は今だって斬新だと思いますが。

ここは総合文化施設だけあって、国立近代美術館や図書館などいろいろな機能が入っていますが、

この近代美術館がこの10年間にコレクション(収蔵品)に加えた現代アート。

つまり、最先端の現代アート25作品(19人の作家による)が、

日本に、神戸にやって来ているんです。

しかも、それだけじゃなくて、

現代美術の巨匠たち6名の作品も一緒なんですよね。

これについては、会場の入り口にあった館長蓑豊さんのあいさつに、

詳しく書いてありました。

こういうのって、普段じっくり読んでいらっしゃる方のうしろで、

最初の数行読んでどっか行ったまま、続きを読むのを忘れがちですが、最後まで読んでよかった。

兵庫県立美術館の館長に就任される前は、

あの人気の金沢21世紀美術館の館長だった蓑さんのネットワークや、

どのような経緯を経て今日ここに至ったのかが書かれてあって、

この展覧会を知ってから興味は持っていたけど、コトの重大さをわかっちゃいなかった私には、

非常にありがたい説明でありました。(ほんと、読むもんですね・・・・・・)



作品たちはどんな感じだったかということで、いくつかあげますと、

会場内の撮影は禁止されているので、当然画像はないのですが・・・、

金沢21世紀美術館と言えば・・・ぐらいに有名と思われる「スイミング・プール」のレアンドロ・エルリッヒ。

この方の作品「眺め」もありました。

レアンドロ・エルリッヒの作品は、以前、瀬戸内国際芸術祭で「不在の存在」を見て以来。

「スイミング・プール」はもうずっと見たいと思っているんですが。

なーんて、だったら、今なんとかすればいいのか? うん、そりゃそうかも。

パスポートもいらないわけですし、金沢だったら。パリと違って。


           (瀬戸内芸術祭。楽しかった真夏の思い出。 さあ、上陸!)

今回の「眺め」は、カーテンで締め切った暗室の中に入って行って、

目が慣れないまま、よくわからないまま、奥に進んでいくと、窓がある。

その窓の前に近づいていくと、なんだかほかのお客さんがずいぶん熱心に覗き見。。。

って、これ以上は言えないや、って重大な一言を言ってしまったかもしれません。

どういうことか気になった方は、是非兵庫県立美術館までレッツ・ゴーです。

今月23日までやってますからね。

そして、行ったから知ってるよーって方も、内緒でお願いします。

ワクワク感を大事にしたいですからね♪



他には、もう一つ暗室。

今度は入る前にスタッフの方に注意事項を説明してもらった後で入るアンリ・サラの「入り混じる行為」。

こっちは、レアンドロ・エルリッヒよりも本格的に暗室なので、

入った後目が暗闇に慣れなくて、かなりドギマギ。

おまけに、ほかのお客さんがいると思ったのに、途中でこの人たちって人形?人間?

なーんて一瞬疑問に思っちゃったもんだから、ドキーッ!としました。

作品を鑑賞する以前の感想で申し訳ないんですが・・・。

今回の作品「入り混じる行為」は、大阪の国立国際美術館で開催されたアンリ・サラ展で見た、

「アンサー・ミー」と「ザ・クラッシュ」よりも前に制作された作品でした。

映像自体はある意味「シンプル」なのですが、のめりこんでしまう何かがありますし、

荒削りな部分にいろいろと考えずにはいられないのです。

作品を見ている時点では分からない、映像では明らかにされない背景をじっと凝視しては、

読み解こうとしてしまう。なにかわからないかと見てしまう。

そう、ひたすら見続けてしまう。。。


映像作品は他にもあり、どれもじっくりと見てしまいますし、

そうやって鑑賞できるようにベンチが用意されたりしていました。

中でも大がかりなのが、 壁三面に四つのスクリーンを使って展示されていた、

ジャナイナ・チェッペの「血液、海」。

見ているとその不思議さと動きなんかが時間の流れる速さを変えてしまったような感覚になりました。

同時に、水族館にいる気分にもなったのは、スクリーンの大きさもきっとあるはず。

もちろん、個人によって好みはあると思うのですが、私はこの作品ってデトックスの要素を感じていました。

ただ、集中してみたので、ちょっと疲れたかも・・・と思って次の作品に行くと、

ノスタルジックな雰囲気も魅力で、古きパリを連想した、

ハンス=ペーター・フェルドマンの「影絵芝居(パリ)」で、一気にテンションが上がりました。

この作品、影絵が変化する面白さと、影絵につかった物の面白さ、この二つが味わえます。


上でも書いたのですが、兵庫県立美術館とポンピドゥー・センターの連携によって実現したこの展覧会。

当然ながら、そういう背景ゆえ巡回展ではなく、神戸だけで見られるんだそうです。

もっとも、パリに飛ぶって手がありますか?!

ん?  じゃあ、急いで空港へ?

 
               (そういえば、関西国際空港もレンゾ・ピアノ設計でした!)