Wednesday, January 08, 2014

ワンルームを場面に応じて

昨日に引き続き、映画「ターンレフト・ターンライト」について、

新加坡通信で3回にわたって特集した第2回目をもとにお届けします。


今日は、彼女(学生番号784533のイブ・ツァイ)の部屋を

見ていきます。

( ↑ 画像自体はもう何回も登場していましたが…)

日本の賃貸住宅においては、

一人暮らしだとワンルームが多いと思います。

このワンルーム、詳しくは、1Rと1Kに区別されるんですよね。



この違いは何か?と言いますと、

キッチンが居室の中にあると1Rで、

キッチンが居室の外にあって、扉で仕切ることができたら1K。



あんまり違いはないような気がしますが、

居室の中にキッチンがあると、やっぱり料理にも気を使います。

においがこもりますし、換気扇を使ったら使ったで、真冬は寒い!





    (画像をクリックすると、拡大表示されるので見やすくなるかと…)


翻訳家という仕事をしている彼女は、家でもっぱら仕事している様子。


というのも、

やり直し!になった小説「真夜中の死神」を窓際の机で翻訳していたので、

基本はフリーランスの在宅勤務(ホームオフィス)なのかなーと。



ベッドの大きさなどから推測するに、

日本のワンルームマンションで言うと、2部屋分ぐらいの大きさがありそうです。

(40㎡ぐらいってところ?)



上図のA-A’の壁をはさんでお隣にある彼(学生番号763092)の部屋も、

彼女の部屋の間取りとほぼ同じですが、

ちょっとずつ違うんですよね。

ま、大家さんも別々だから、当然ちゃあ当然ですが。

 彼女…キッチンもひととおりそろっている。

 彼…キッチンらしきものはなし。



 彼女…バスタブありのバスルーム。

 彼…シャワースペースのみ。



 彼女…トイレは洋式。

 彼…トイレは和式。

    

 彼女…床はフローリングとタイル。

 彼…床は畳とタイル。



パッとわかる所だけでも、こういう違いがあります。


建てられてから年数が経っているらしいこの建物に、

決して「スタイリッシュ」とか「おしゃれ」とは言い難い彼女のインテリア。


ではありますが、窓際のタイル貼りの台や机まわりなどは、

気持ちよく仕事したり、本を読んだりできそうでいいな。



だけど、食事もこの机でするのかな? 

食事もするなら、食卓テーブルとしても使える、もうひとまわり大きいサイズが

いいんじゃない?

なーんて、真剣に考えてしまいます。



ベッドの両側にはサイドテーブルを置いてるんだから、

ソファーの脇にもカップをおける位のサイドテーブルがあってもいいんじゃない?


「私だったら、~するな。いや、どうするかな?」と思案するのはやっぱり楽しい。



今、改めてじっくりと彼女の部屋の間取りを見ると、

机に置いた一脚の椅子と、一人用にソファーが一つって、

彼女がいかに、静かな生活を送っているか、実感します。



途中で出てくる探偵にも

「恋人どころか友達一人いない」みたいなこと言われてましたが。



そうそう、決して新しいとはいえない彼女のこの集合住宅の共同玄関にも、

ドアがついていて、鍵がかかるんですよね。



日本だと、オートロックが普及する以前の集合住宅には、

戸別の鍵とは別に、共同玄関の鍵なんてあるところが少なかったから、

こういうところは違うなぁなんて、気づいたのでした。



都市による住宅事情の違いは、

きっと一人暮らしの部屋の面積に大きく影響してそうですが、

この部屋だったら、一日ここで仕事して生活して…って過ごしても、

息が詰まるってことはなさそうかも。



そりゃ、ずっといたら、息が詰まるでしょうが(笑)


近くにあるという設定の、あの広い公園がいい!

公園を居間にしてるっていう感じの使い方。



ニューヨークならさしずめセントラルパークってところ?



彼女のこの部屋の使い方は、

「ワンルームをどうやって、さまざまな場面に使っていくか?」ことについて、

考えさせてくれます。



キッチンとの間仕切りに、籐のつい立て、とかですね。



長くなりましたが、

新加坡通信Vol.44(2008年11月27日発行)を加筆修正してお届けしました。




それではまた!