昨日に引き続き、映画「ターンレフト・ターンライト」について、
新加坡通信で3回にわたって特集した第2回目をもとにお届けします。
今日は、彼女(学生番号784533のイブ・ツァイ)の部屋を
見ていきます。
( ↑ 画像自体はもう何回も登場していましたが…)
日本の賃貸住宅においては、
一人暮らしだとワンルームが多いと思います。
このワンルーム、詳しくは、1Rと1Kに区別されるんですよね。
この違いは何か?と言いますと、
キッチンが居室の中にあると1Rで、
キッチンが居室の外にあって、扉で仕切ることができたら1K。
あんまり違いはないような気がしますが、
居室の中にキッチンがあると、やっぱり料理にも気を使います。
においがこもりますし、換気扇を使ったら使ったで、真冬は寒い!
(画像をクリックすると、拡大表示されるので見やすくなるかと…)
翻訳家という仕事をしている彼女は、家でもっぱら仕事している様子。
というのも、
やり直し!になった小説「真夜中の死神」を窓際の机で翻訳していたので、
基本はフリーランスの在宅勤務(ホームオフィス)なのかなーと。
ベッドの大きさなどから推測するに、
日本のワンルームマンションで言うと、2部屋分ぐらいの大きさがありそうです。
(40㎡ぐらいってところ?)
上図のA-A’の壁をはさんでお隣にある彼(学生番号763092)の部屋も、
彼女の部屋の間取りとほぼ同じですが、
ちょっとずつ違うんですよね。
ま、大家さんも別々だから、当然ちゃあ当然ですが。
彼女…キッチンもひととおりそろっている。
彼…キッチンらしきものはなし。
彼女…バスタブありのバスルーム。
彼…シャワースペースのみ。
彼女…トイレは洋式。
彼…トイレは和式。
彼女…床はフローリングとタイル。
彼…床は畳とタイル。
パッとわかる所だけでも、こういう違いがあります。
建てられてから年数が経っているらしいこの建物に、
決して「スタイリッシュ」とか「おしゃれ」とは言い難い彼女のインテリア。
ではありますが、窓際のタイル貼りの台や机まわりなどは、
気持ちよく仕事したり、本を読んだりできそうでいいな。
だけど、食事もこの机でするのかな?
食事もするなら、食卓テーブルとしても使える、もうひとまわり大きいサイズが
いいんじゃない?
なーんて、真剣に考えてしまいます。
ベッドの両側にはサイドテーブルを置いてるんだから、
ソファーの脇にもカップをおける位のサイドテーブルがあってもいいんじゃない?
「私だったら、~するな。いや、どうするかな?」と思案するのはやっぱり楽しい。
今、改めてじっくりと彼女の部屋の間取りを見ると、
机に置いた一脚の椅子と、一人用にソファーが一つって、
彼女がいかに、静かな生活を送っているか、実感します。
途中で出てくる探偵にも
「恋人どころか友達一人いない」みたいなこと言われてましたが。
そうそう、決して新しいとはいえない彼女のこの集合住宅の共同玄関にも、
ドアがついていて、鍵がかかるんですよね。
日本だと、オートロックが普及する以前の集合住宅には、
戸別の鍵とは別に、共同玄関の鍵なんてあるところが少なかったから、
こういうところは違うなぁなんて、気づいたのでした。
都市による住宅事情の違いは、
きっと一人暮らしの部屋の面積に大きく影響してそうですが、
この部屋だったら、一日ここで仕事して生活して…って過ごしても、
息が詰まるってことはなさそうかも。
そりゃ、ずっといたら、息が詰まるでしょうが(笑)
近くにあるという設定の、あの広い公園がいい!
公園を居間にしてるっていう感じの使い方。
ニューヨークならさしずめセントラルパークってところ?
彼女のこの部屋の使い方は、
「ワンルームをどうやって、さまざまな場面に使っていくか?」ことについて、
考えさせてくれます。
キッチンとの間仕切りに、籐のつい立て、とかですね。
長くなりましたが、
新加坡通信Vol.44(2008年11月27日発行)を加筆修正してお届けしました。
それではまた!