Thursday, January 09, 2014

転用ってこと


この週末、ぐっと寒くなるそうですね。

暖かくして、過ごしたいところですが、

やっぱり体を動かすことも必要ですよね。


なんてところで、フリーペーパー新加坡通信のブログ化。

本日は、2008年12月4日に発行したVol.45です。

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Vol.43,44と続けてきた間取りウォッチングの

映画「ターンレフト・ターンライト」特集ですが、今回で完結です!


今日は金城武さんが演じたヴァイオリニストの彼(ジョン・リュウ)のアパートを。

(玄関側から眺めるとこんな感じ)

今から4年前9年前に製作されたこの映画ですが、

「4年」ってそんな昔ではないはずなのに、何とも言えず、どことなくダサい…

というか、

駆け出しのヴァイオリニストなら当たり前か、と思わせるリアリティになっています。

なんて、書いていますが、それから5年が経過した今見ると、

9年という時間の長さをあらためて考えずにはいられません。

  (A-A’の壁を挟んだ反対側には、ずっと会えずにいる(一度再会できたけど)彼女の部屋)


ピアノやCD、レコードが部屋中にあるところから、

彼が音楽に対してはお金を惜しむことなく、使っている様子が見てとれます。

夢に向かって進んでいるという印象です。


そんなところから感じる親しみとは別に、この部屋が親しみ深いのは、

私たちが普段家で見慣れている要素「畳」「すだれ」「おしいれ」「ふすま」

などがあるからかもしれません。


これには、舞台となっている台湾の歴史も関係しているのかな…

と考えているのですが、どうなのでしょうか。


とは言っても、やっぱり台湾と日本の違いがありまして。

「畳」を彼も彼に憧れる88食堂のお姉さんも、土足で平気で歩き回っているのはびっくりだし、

集合住宅の廊下と部屋のタイル張りの床、「畳」の床は、段差なしのバリアフリーです。

逆に、水まわりの床が居室よりも一段高くなっているんですよね。

不思議だなぁ。


そうそう!トイレも洋式(椅子式)ではなく、私たちが和式と呼ぶしゃがむタイプの便器です。

なんだか話がずれてしまいましたが、彼の部屋にはシャワーのみ。

彼女の部屋より少し狭そう、きっと家賃も安い?!


88食堂のお姉さんにも「貧乏な音楽家の卵」とつぶやかれてしまう彼ですが、

その貧乏っぷりは、例えば、家庭用の冷蔵庫がなくて、

飲食店に置いてあるガラス張りの飲み物用冷蔵ケースが置かれているところに、

見て取ることができます。


下に飲料メーカーのロゴが黄色や赤で描いてある、冷蔵ケースです。

その中もがらんとしてて、断捨離的にすっきりと言えばすっきりですが、

何もないだけ…と言えばそれまでの彼の冷蔵庫。

なのですが。

それでも、こういう冷蔵ケースを冷蔵庫に使うのも使いようによってはおしゃれかも。

業務用ってどうしてこうも、かっこよく見えてしまうんでしょうか。

道具でも厨房でもそのほか色々でも。

もしかして、私だけ?




フリーペーパー新加坡通信Vol.45(2008年12月4日発行)を加筆修正しました。